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【論語と婚活 番外編】 結婚を前に陥る不安の考察ー 「なぜ私はそう感じるのか」から始まる対話

【論語と婚活 番外編】 結婚を前に陥る不安の考察ー 「なぜ私はそう感じるのか」から始まる対話

結婚を前に陥る不安の考察ー 「なぜ私はそう感じるのか」から始まる対話

■ はじめに:「できない私」で大丈夫?

「料理ができない私で大丈夫かな」
「一人暮らしが長かったから、誰かと暮らすのが不安」

プロポーズを控えた女性から、そんな“自信のなさ”を耳にすることがあります。
でも、その不安の正体は、本当に「できないから」なのでしょうか?

実はそれは、“できなければいけない”という《観念》にとらわれた、不安の“かたち”かもしれません。

《観念》とは──見えない「思い込み」の正体です。
私たちが日常で「当たり前」と思っている考え方や価値観の多くは、
自分自身で生み出したものではなく、周囲から刷り込まれた“観念”であることがあります。

たとえば、
「結婚したら〇〇しなければならない」
「男性はリードすべき、女性は支えるべき」
といった思い込み。

それらは、親や学校、メディア、社会的な空気の中で“常識”として刷り込まれた思考パターンであり、
必ずしも“本当の自分”の声とは限らないのです。

表面的な観念の思考や悩みに終始するのではなく、掘り下げてみませんか。

■ 論語の教え:「楽しい」ことが力をくれる

孔子はこう説きます。
「子曰わく、之を知る者は、之を好む者にしかず。之を好む者は、之を楽しむ者にしかず。」(雍也第六)
知っているだけでは不十分。好きな人には敵わず、楽しんでいる人には到底及ばない。

「ねばならない」「正しくあらねば」といった重たい考えにとらわれていては、
結婚生活も人間関係も、喜びや安心にはつながりません。

“楽しむ”こと。そこに本当の力が宿ります。

■ 不安の正体①:「刷り込まれた理想像」

「家庭的じゃないとダメ?」
「料理くらいできないと…?」
「共働きでも家事は女性が主導すべき?」

そんな考えに縛られていないでしょうか。
それは、誰かが決めた“理想像”にすぎません。

その不安は、あなたの本心ではなく、社会からの無言の圧力かもしれません。

■ 不安の正体②:なぜ私はそう思うのか?

「真の知性とは、自ら問い、観察し、理解することだ」
ーークリシュナムルティ

不安を感じたときこそ、自分に問いかけてみましょう。

「なぜ私はそう思うのか?」
「それは誰かの価値観をそのまま信じていないだろうか?」

この“問い”から始まる洞察が、
あなたの結婚に対するスタンスを、自分の言葉で取り戻すきっかけになります。

■ 対話の力:言葉を交わせる相手と

「人は関係性の中でしか、自分を知ることはできない」
――クリシュナムルティ

不安を抱えたまま、一人で耐える必要はありません。
言葉にして、誰かに伝えてみる。それが、関係性のはじまりです。

「話せる相手がいる」
その安心感が、これからの人生を支える力になるのです。

■ 結婚は“完成”ではなく、“成長の旅”

「人は変化し、学び、関係性の中で成長する」
――クリシュナムルティ

結婚とは、すべてが整った完璧な自分で挑むものではありません。
未熟なまま、二人で学び、支え合い、育てていくものです。

“できないこと”があってもいい。
それを語れる相手と出会い、共に歩むことが大切なのです。

■ 幸せとは、「話せる誰か」がいること

「幸福とは、関係性の中で生まれる静かな気づきである」
――クリシュナムルティ

条件や完璧さではなく、「この人となら、話していける」
その確かな感覚こそが、結婚における最大の安心です。

■ まとめ:完璧より、“ともに考えられる”関係を

結婚とは、誰かと「完璧に暮らすこと」ではなく、
誰かと「問い、話し、学びながら生きていくこと」。

だからこそ、不安を持っている自分を責めず、
それを語れる相手がいることを大切にしてください。

その関係の中にこそ、本当の安心と幸せが育っていきます。

”同じ方向を見て、一緒に育てていく”
その関係を築けることこそが、”結婚”の素晴らしさなのかもしれません。