BLOG ブログ

【論語と婚活 Vol.8】「恕とは何か──相手を思いやる想像力」

【論語と婚活 Vol.8】「恕とは何か──相手を思いやる想像力」

「恕とは何か──相手を思いやる想像力」

■ はじめに

婚活では、「自分の気持ちをわかってほしい」「どうしてあの人はあんな行動を…」と、
つい自分の側から相手を見て判断してしまうことがあります。
そんなときに、ふと立ち止まって思い出したいのが、論語にある「恕(じょ)」の教えです。

「恕」とは、“思いやり”を超えた、相手の立場に立って考える力のこと。
今回はこの「恕」の考え方から、婚活における人間関係の築き方を見直してみましょう。

■ 「恕」とは?──“してほしくないことは、人にもするな”

孔子の弟子の子貢が孔子に”一言で生涯行っていくべき大切なこと”をたずねます。

「子曰わく、其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すことなかれ」(衛霊公第十五)
それは恕だ。自分がされて嫌なことは、他人にもしてはならない。

これが「恕」の代表的な教えです。
単にいわゆる“思いやり”や“優しさ”とは少し違い、
「自分の感情や経験」をもとに、相手の気持ちを想像して行動することが求められます。

■ 婚活で大切な「恕」の姿勢とは

婚活では、お互いがまだよく知らない状態から関係を築いていくため、
誤解やすれ違いが生まれやすいものです。

こんな場面、思い当たりませんか?

・連絡の頻度が違う →「普通こうでしょ」と思ってしまう

・お断りの連絡が来た →「ひどい…」と感情的に受け取ってしまう

・相手が沈黙 →「自分に興味がないんだ」と早合点する

でも、「恕」の心を持っていると、こうなります:

・「相手には相手のペースや事情があるのかもしれない」

・「自分が断る側だったら、何を大切にするだろう」

・「言葉にできない気持ちもあるのかも」と、相手の立場に思いを寄せる

この“ひと呼吸おいて考える力”、矢印を人にではなく、自分に向けて考える、それが信頼関係の第一歩になるのです。

■ 自分の気持ちを伝えることも「恕」

「恕」はただ我慢したり、相手に合わせたりすることではありません。
「自分の気持ちを、相手に伝えること」も大切な思いやりです。

なぜなら、相手は“察してくれる”とは限らないから。
思いやりとは、「自分と相手の両方を大切にすること」でもあるのです。

縁サポートJinでは、お互いの会話(相手の気持ちを聞くこと、自分の気持ちを伝えること)を大切に考えています。
長い結婚生活において、お互いきちんと意思疎通ができることが大切です。

■ 小さな恕の積み重ねが、安心をつくる

婚活の現場では、ちょっとした配慮や視点の切り替えが、
相手に「この人は信頼できそう」と思わせる大きなポイントになります。

・丁寧な返信

・気遣いある断り方

・緊張する場での優しい一言

これらはどれも、「自分だったらこうされたら嬉しい」という想像力から生まれるもの。
つまり、婚活の成功には「恕=思いやりの想像力」が欠かせません。

■ まとめ:「恕」は、相手と関係を築く力

“してほしくないことをしない”
それは一見シンプルな教えですが、実践するには勇気と冷静さ、そして心のゆとりが必要です。

婚活では、自分の気持ちだけでなく、相手の背景や気持ちを想像して向き合うこと。
それが、「この人となら安心して一緒にいられる」と思ってもらえる、本当の信頼の種になります。




■ 次回予告

「慎独とは何か──“誰も見ていないとき”の自分を磨く力」

婚活では、相手と会っていない時間こそが、自分の魅力を育てる大切なとき。
論語の教え「慎独」から、人に見られていない場面での在り方と“本当の誠実さ”について考えます。