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【論語と婚活 Vol.6】「中庸とは何か──偏らず、ちょうどよく生きる力」

【論語と婚活 Vol.6】「中庸とは何か──偏らず、ちょうどよく生きる力」

「中庸とは何か──偏らず、ちょうどよく生きる力」

■ はじめに

婚活では、つい「こうあるべき」「これが理想」と、極端な考え方に偏ってしまうことがあります。
でも、自分の気持ちや行動が“どちらか一方”に寄りすぎると、疲れてしまったり、相手との関係がうまくいかなかったりするものです。

論語の中で孔子が重んじた教えに、「中庸(ちゅうよう)」という考え方があります。
それは、極端に走らず、心を安定させ、偏らない姿勢で生きること。

今回はこの「中庸」の教えから、婚活において心を整えるヒントを考えてみたいと思います。

■ 「中庸」とは何か?

「中庸」は『論語』や『中庸』という儒教の古典に登場する重要な言葉で、
感情や判断が極端に偏らず、バランスよく物事を捉える生き方を指します。

「中なる者は、天下の大本なり。和なる者は、天下の達道なり。
 中和を致して、天地位し、万物育つ。
 中庸の徳たるや、それ至れるかな。」(『中庸』第一章)

中庸の徳こそが、最も優れている

孔子は、怒りすぎず、喜びすぎず、慎みを持って調和の中に身を置くことが、
人として最も徳が高いと説いています。

■ 婚活にありがちな“偏り”とは?

婚活の現場では、次のような“極端な思考”にハマってしまう方が少なくありません

・「理想の条件に合わないなら意味がない」

・「相手に嫌われないように、自分を抑えよう」

・「うまくいかないのは全部自分のせいだ」

・「あの人は完璧すぎる、きっと裏があるはず」

こうした思考は、自分や相手を“偏った目”で見てしまっている状態です。
それが積み重なると、出会いのチャンスを狭めてしまったり、疲弊してしまったりします。

■ 中庸の心で向き合うと、婚活がラクになる

中庸は、「真ん中を選べ」と言っているわけではありません。
偏った目で見ることなく、「感情や判断がどちらかに振り切れたときに、一歩引いて全体を見直そう」と俯瞰する姿勢です。

たとえば…

・条件だけで相手を見るのではなく、「実際に会ってどう感じるか」を大切にする

・好かれようと無理をせず、「自然体の自分」を認めてくれる相手を探す

・落ち込んだときこそ、「うまくいった面」も一緒に見てあげる

そうすることで、心がゆるみ、自分も相手も“ありのまま”で向き合えるようになります。

■ 「ちょうどよさ」は人間関係を支える土台

婚活は、バランス感覚が問われる活動です。
譲りすぎても、求めすぎても、どちらかが苦しくなってしまう。

論語の「中庸」に学ぶことで、自分の中にある「ちょうどいい心の位置」を見つけることができます。
そしてその“整った心”こそが、長く続く信頼関係を築く土台になります。

■ まとめ:ブレない自分を持つために

「中庸」は、自分を押し殺すことではありません。
むしろ、自分の感情や考えを一度受け止めて、そこから“調和”を探す知恵です。

婚活で迷ったり、感情に振り回されそうになったときこそ、
この「中庸」の心を思い出してみてください。

“偏らない目”で自分と相手を見つめることで、きっと心が少し軽くなるはずです。




■ 次回予告
「積小為大──コツコツと“徳”を積む婚活」
一気に結果を求める婚活は、心が疲れてしまいがちです。
次回は、二宮尊徳の「積小為大」の考え方と『大学』の教えをヒントに、
小さな行動の積み重ねが良縁を生むという視点から、婚活の心構えを見つめ直していきます。