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【論語と婚活 Vol.3】

【論語と婚活 Vol.3】

「君子は和して同ぜず」──価値観の違いをどう受け止めるか

■ はじめに

婚活をしていると、相手との「価値観の違い」に戸惑う場面があります。
好きなもの、考え方、お金の使い方、家族観…。
「合わない」と感じて、不安になったり、交際を迷ってしまったり。

でも、違うからこそ、補い合える関係もあるのではないでしょうか?

今回は論語の中の「君子は和して同ぜず」という言葉から、
“違い”と“調和”について一緒に考えてみたいと思います。

■ 「君子は和して同ぜず」とは?

この言葉は『論語・子路篇』に登場します。

「子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

意味はこうです。
“君子(徳のある人)は、人と調和はするが、無理に同じになろうとはしない。
一方で、小人(未熟な人)は、同調はするけれど、心の調和がない。”

つまり、本当に人を尊重する人は、相手と違っていても、対立せずに調和を図れるという教えです。

■ 婚活における「違い」との向き合い方

婚活では「価値観が合うかどうか」が話題に上がりやすいですが、
完全に一致する相手を探すのは現実的ではありません。

むしろ、違いをどう理解し合うか、
“同じじゃないからこそ、どう歩み寄るか”が、いいご縁を育むポイントになります。

例えば──

・食の好みが違う ⇒ お互いに譲る工夫ができる

・お金の使い方が違う ⇒ 話し合いができるかどうかを見る

・性格が正反対 ⇒ 補い合える関係になれるかも

違いは“壁”ではなく、“会話を生むきっかけ”にもなります。

お互い育ってきた環境が違います。
私たちが持っている価値観や考え方は、家庭環境、教育、人生経験などによって形作られた「観念」とも言えます。

だからこそ、価値観が違うのは当たり前のこと。
大切なのは、“同じであること”を求めるよりも、“違いを共有する対話”を大切にすることです。

何より、お互いに話をして、「自分はこう思っている」「あなたはどう感じている?」と丁寧に気持ちを伝え合うこと。
違いを否定せず、「そういう考え方もあるんだね」と受け止め合える関係が、信頼の土台になっていきます。

■ 成婚カップルに見られる「和して同ぜず」な関係

これまでご成婚された方々の中にも、
最初は「価値観が全然違う」と話していたカップルが、
お互いの違いを受け入れ、尊重し合いながら歩み寄っていったケースが多くあります。

その共通点は、「違い=悪いこと」ではなく、「違い=個性」として理解しようとする姿勢があったこと。

これはまさに、君子の「和して同ぜず」の精神そのものだと感じます。

■ まとめ:「同じ」にこだわらない勇気

「価値観が違うからやめておこう」と早合点する前に、
その違いをどう受け止められるか、自分に問いかけてみること。

論語が教えてくれるのは、
“違っていても、共にいられる関係こそが、成熟した人間関係である”ということです。

婚活は、自分と異なる他者と出会う旅。
だからこそ、「和して同ぜず」の心で、相手と向き合ってみませんか?





次回予告

「仁とは何か──“優しさ”を支える力」

婚活で本当に大切な“人への思いやり”とは何かを、論語の「仁(じん)」というキーワードから紐解いていきます。