婚活の場では、「どんな人が正解なのか」「条件に合う相手はいるのか」と、つい“答え”を求めてしまいがちです。

でも、結婚とは“正解”に出会うことではなく、“問い”を共に考え続ける関係なのではないでしょうか。

『論語』の中で孔子はこう語ります。

「子曰わく、中人以上には、以て上を語るべきなり。中人以下には、以て上を語るべからず」（雍也第六）
――ある程度の思考力・志のない者とは、深く学び合うことはできない。

これは、“自ら考えようとしない人”との対話には限界がある、という意味です。

婚活や結婚も同じ。
人生には「正解のない問い」があふれています。
たとえば、家族のあり方、老後の過ごし方、子育てや働き方──。

それらに一つ一つ向き合っていくためには、一緒に考えようとする姿勢＝「共に問い続ける力」が必要なのです。

「楽しく話せる」「趣味が合う」という相性も大切です。
でも本当に大切なのは、考えがぶつかったときに、“対話できる”関係であるかということ。

お互いの意見を受け止めながら、「どうしようか？」と一緒に考えられる関係こそ、長く共に歩める基盤になります。

結婚は、準備万端で始める“完成形”ではなく、
問いと対話を重ねながら、未完成なまま進んでいく“旅”です。

だからこそ、

・すれ違ったときに黙り込まず、言葉を交わせること

・不安や迷いを共有し、「一緒に考えよう」と言い合えること

その積み重ねが、信頼と絆を育んでいきます。

結婚とは、“わかりあえる人”を探すのではなく、“わかりあおうとし続けられる人”と出会うこと。

正解を押しつけるのではなく、問いを差し出し、言葉を交わし続ける関係の中に、本当のご縁があるのではないでしょうか。

婚活においても、「答えのある出会い」ではなく、
「一緒に問いを持てる相手」を見つける視点を、心に置いてみてください。


■ 次回予告
「ケチな人は、婚活もうまくいかない？」──お金の使い方ににじむ“価値観”とは

婚活で出会った相手が、「お金にとても慎重」であるとき──
それは“堅実”なのか、それとも“ケチ”なのか。
実はその違いには、人としての「信義」や「度量」が深く関係しています。

『論語』にある「君子は義に喩り、小人は利に喩る」「義を見てせざるは勇なきなり」の教えから、
婚活における“お金の使い方”が表す、人間性と価値観の本質に迫ります。

次回もぜひ、お楽しみに。