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【論語と婚活 Vol.18】 「価値観とは何か──“真我”でつながるパートナー探し」

【論語と婚活 Vol.18】 「価値観とは何か──“真我”でつながるパートナー探し」

「価値観とは何か──“真我”でつながるパートナー探し」

■ はじめに

婚活でよく耳にする言葉の一つが、「価値観が合う人がいい」です。
けれど、その“価値観”とは一体何を指しているのでしょうか?

・金銭感覚?

・家族観?

・食事の好みや休日の過ごし方?

もちろんそれらも大切ですが、今回はさらに深く、「本質的な価値観」、
そして「真我(しんが)でつながるご縁」について考えてみたいと思います。

■ 「価値観」とは、記憶や観念の積み重ね

インドの哲学者、J. クリシュナムルティはこう語ります:

「観念とは記憶であり、記憶は経験から生まれるものだ。だから私たちは、過去のフィルターを通してしか相手を見ることができない。」

つまり私たちが「価値観」と呼ぶものの多くは、
家庭や学校、社会、過去の恋愛や人間関係などの“経験の積み重ね”によって形成された観念です。

「こうあるべき」
「こういう人の方が安心できる」
「前の恋人とは合わなかったから今度は違うタイプを」
こうした判断はすべて、過去からつくられた“条件付きの価値観”です。

■ 「好きになる」「この人といたい」は、頭では決まらない

論語にはこうあります。

「子曰わく、之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」(雍也第六)
知っているだけの人より、好きな人。好きな人より、楽しめる人のほうが上だ。

恋愛や結婚も同じです。
「条件で知る」→「気になる人を好きになろうとする」→「自然と一緒にいるのが楽しい」
この流れの中でこそ、本質的なご縁が育まれます。

“頭”で相手を選ぶのではなく、
“心”で相手に出会うことが、何より大切なのです。

■ 真我でつながるご縁とは

クリシュナムルティはこうも言います

「愛とは、過去の記憶から自由になったときにのみ存在する。」

つまり、本当の愛やつながりは、
過去の比較や条件に縛られない、“今この瞬間”の自分から始まるということ。

・相手の肩書ではなく、声のトーンが好き

・条件では測れない、なぜか安心できる感じ

・一緒にいると、飾らずにいられる

これが、真我=本質的な自分で相手と向き合えている証拠です。

■ 「価値観が合う」とは、「本質でつながる」こと

婚活で言われる「価値観が合うかどうか」というのは、
単に同じ趣味や考え方を持っていることではなく、
“何を大切に生きているか”が共鳴しているかどうかではないでしょうか。

それは、

・相手を条件で見ない力

・自分の内側を見つめる勇気

・過去を手放し、“今ここ”で相手と関わる姿勢

から生まれてくるものです。

■ まとめ:「真我」でつながるご縁を求めて

条件や評価、過去の経験では測れない何か。
それが、本当の意味での「価値観の一致」であり、
長く続くご縁の基盤になります。

「この人と、なぜか一緒にいたい」
その“なぜか”を大切にできる心の柔らかさが、
あなた自身の真我に触れるご縁を呼び込むはずです。





■ 次回予告

「敬天愛人」──自分を愛するように、相手を大切にする婚活

次回は、鹿児島の偉人・西郷隆盛の言葉からです。
座右の銘「敬天愛人」は、ただ優しくすることではなく、
“自他を等しく尊ぶ心”の大切さを教えてくれます。
次回は、婚活における「思いやり」や「愛する姿勢」の本質を、
この言葉から一緒に考えてみましょう。