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【論語と婚活 Vol.16】 「好きになる力──人を受け入れる“心の柔軟さ”」

【論語と婚活 Vol.16】 「好きになる力──人を受け入れる“心の柔軟さ”」

「好きになる力──人を受け入れる“心の柔軟さ”」

■ はじめに

婚活の現場では、「なかなか好きになれる人に出会えない」という声をよく聞きます。
でも、よく考えてみると、“好きになる”というのは、
ただ感情が自然に湧き上がるのを待つものではなく、
「相手を知ろうとすること」から始まる姿勢ではないでしょうか。

孔子はこう語っています。

「子曰わく、之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。」(雍也第六)
それを知っている者は、それを好む者に及ばず。好む者は、それを楽しむ者に及ばない。

この言葉は、学びの姿勢を説いたものですが、婚活にも当てはまります。
ただ相手の情報を“知る”だけで終わらせず、
「好きになってみよう」「関わってみよう」という柔軟な姿勢が、
やがて“楽しさ”や“心の通い”を育んでくれるのです。

■ 好きになるのは「条件」ではなく「関わり方」

婚活では「条件が合うか」が重視されがちです。

・見た目の印象

・年収や職業

・趣味や生活スタイル

でも、人を「好きになる」きっかけは、案外そうした表面的な条件とは別のところにあることも多いのです。

・思わず笑ってしまった会話

・小さな気遣いに心が動いた瞬間

・自分の話をじっと聞いてくれたやさしさ

好きになるとは、「完璧な人に出会うこと」ではなく、
“関わる中で見つけていく感情”なのです。

■ 「好きになれなかったから終わり」ではなく…

初対面でピンとこなかった。
話が合わなかった気がする。
無理に続ける必要はありません。
でも、その前に一つだけ考えてみてほしいのです。

「自分は相手を知ろうとしたか?」
「相手の良いところを探そうとしたか?」

人は、“関わる努力”をしなければ、心を開いてはくれません。
逆に、自分から少し心を向けることで、思いがけない魅力が見えてくることもあります。

■ 自分がそれを望めば、そこに至る

「子曰わく、仁遠からんや。我仁を欲すれば、斯に仁至る」(述而第七)
仁(思いやり)は遠いものではない。自分がそれを望めば、そこに至る。

つまり、“人を思いやる心”や“受け入れる力”は、特別な性格の人だけが持つものではなく、
「そうなりたい」と思った瞬間から育てていける徳だというのです。

婚活も同じです。
“好きになれるか”ではなく、
“好きになろうとする姿勢”を持てるかどうかが、ご縁を育てる鍵になります。

■ まとめ:「好きになる力」が、ご縁を引き寄せる

「この人を好きになれるか?」と考える前に、
「この人を好きになってみようかな」と心を開いてみる姿勢が大切です。

その柔らかさが、婚活における出会いを変えていきます。
そしてその姿勢こそが、誠実さや人間力として相手にも伝わり、
ご縁を引き寄せます。

論語が教えてくれる「好之者」「仁者」の在り方を、
婚活の場でも、ぜひ実践してみてください。





■ 次回予告

「結婚は“環境”と“相性”──努力だけでは届かない現実もある」

どれだけ誠実に向き合っても、うまくいかないことがある──
それは、環境や相性という“目に見えない要素”が関係しているからかもしれません。
次回は、論語の教えをもとに、「無理に合わせるのではなく、自分に合うご縁を見極める力」について考えます。