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【論語と婚活 Vol.11】「聞く力こそ、信頼を育てる力」

【論語と婚活 Vol.11】「聞く力こそ、信頼を育てる力」

「聞く力こそ、信頼を育てる力」

「巧言令色、鮮し仁」「剛毅木訥、仁に近し」より

■ はじめに

婚活では、「話し上手が好かれる」と思われがちです。
けれど、実際に選ばれていく人には、もう一つの共通点があります。

それは、「聞き上手」であること。

孔子はこう語りました。

「子曰わく、巧言令色、鮮し仁(こうげんれいしょく、すくなしじん)」(學而第一)
言葉巧みに話し、愛想よくふるまう人には、本当の思いやりは少ない。

見せかけの会話では、相手の心には届きません。
だからこそ、誠実に耳を傾ける“聞く力”が、信頼と安心を育てるのです。

■ 自分の話ばかりしていませんか?

婚活で多く見られる失敗のひとつが、「自分の話に偏りすぎてしまう」こと。

・自分の仕事の話を熱く語る
・趣味や過去の経験を止まらず話し続ける
・沈黙を埋めようと一方的に話題を投げ続ける

悪気はなくても、相手は「聞いてもらえてない」と感じてしまいます。
婚活において信頼は、“話す力”よりも“聞く姿勢”から生まれます。

お見合いの席において、話す時間は、男性2割に対して女性8割が女性からの印象が良いです。
男性は質問力が必要です。

■ 「剛毅木訥、仁に近し」──飾らず誠実に向き合う

「子曰わく、剛毅木訥、仁に近し(ごうきぼくとつ、じんにちかし)」(子路第十三)
強い意志を持ち、飾らず、控えめに話す人は、仁に近い存在である

婚活においても、
うまく話すことよりも、相手を大切にしようとする誠実さのほうが、ずっと心に届きます。

・相手の話に相づちをうつ

・すぐに結論を出さず、共感してから言葉を返す

・相手が話しやすい空気をつくる

こうした「聞く力」は、あなたの人柄を何より自然に伝える方法なのです。

■ 会話とは、“言う”と“聞く”のキャッチボール

「話さないと印象が残らない」と思うかもしれません。
でも、婚活の場では「この人、ちゃんと聞いてくれる」と感じたとき、
相手の中に“心地よい記憶”が残ります。

会話とは、情報のやり取りではなく、気持ちのやり取り。
相手を尊重する聞き方は、言葉以上にあなたを魅力的に見せてくれます。

■ まとめ:本当の優しさは、静かに耳を傾けることから

婚活で信頼される人は、よく話す人ではなく、よく聞いてくれる人。
その姿勢は、相手に「受け止めてもらえている」という安心感を与えます。

「巧言令色、鮮し仁」
「剛毅木訥、仁に近し」

この二つの言葉は、
派手さよりも、静かな誠実さにこそ“本当の人間力”があると教えてくれます。

まずは一歩、相手の言葉にじっくり耳を傾けることから始めてみましょう。
そこから、ご縁が深まりはじめるかもしれません。




■ 次回予告

「君子は学びて以て其の志を日に新たにす」──婚活を通して、自分を育てる

婚活は、“ただ出会う”ことだけではありません。
自分自身と向き合い、少しずつ成長していく旅でもあります。
次回は「学びと成長」をテーマに、論語の視点から婚活の可能性を考えていきます。