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【論語と婚活 Vol.2】

【論語と婚活 Vol.2】

「礼」とは何か──“マナー”を超えた人間関係の本質

■ はじめに

婚活中、「礼儀正しい人がいい」「常識のある人がいい」と言われることは多いですよね。
でも、“礼儀”ってなんでしょう?
単にマナーや挨拶のことだけでしょうか?

今回は、論語における「礼(れい)」の考え方を通して、婚活における本当の意味での“礼儀”について考えてみたいと思います。

■ 「礼」とは、形式ではなく“心の形”

論語の中で、孔子はたびたび「礼」を重視しています。
顔淵が仁の意義について孔子に尋ねます。

「子曰わく、非礼勿視(礼にあらざれば視ることなかれ)、非礼勿聴(礼にあらざれば聴くことなかれ)、非礼勿言(礼にあらざれば言うことなかれ)、非礼勿動(礼にあらざれば動くことなかれ)」

仁とは”思いやり”のことです。
これは、「礼にかなっていなければ、見ないように・聞かないなように・言わないないように・動かないないように」と仁の実践の方法について説いています。
つまり、“ただ行儀よく振る舞う”というよりも、自分の行動すべてに「節度」と「相手への思いやり」があるかを常に自問する姿勢なのです。

■ 婚活における「礼」

婚活の場面では、「とりあえず好印象を与えよう」として、丁寧すぎるくらい丁寧にふるまう人がいます。
もちろん、それ自体は素晴らしいことです。

でも、「礼」は相手の立場に心を寄せて、適切な距離感で接することでもあります。
たとえば、以下のような行動もすべて“礼”の一部です。

・相手の話にしっかり耳を傾ける

・緊張している相手を和ませる工夫をする

・自分の希望だけを押しつけず、相手の状況にも配慮する

・お断りについても、相手を責め立てることなく、相手を尊重する気持ちを大切にする

これは、単なるマナーやルールではなく、「人として相手にどう接し、寄り添うか」の姿勢そのものですよね。

■ 「礼」がある人は、自然に選ばれる

私たちがこれまでご成婚までサポートした335名の方々にも、「礼」がしっかり身についている方は共通していました。

特徴的なのは、自分の思いを押しつけないけれど、自分を持っているということ。
その姿勢が、自然と安心感や信頼感を生み、相手に「この人と一緒にいたい」と思わせるのです。

■ まとめ:礼儀は“心づかいの言語”

「礼」は、相手の心を思いやる気持ちが、言葉や行動という“形”になって現れるもの。
つまり、マナーとは“人と人が心を通わせるための言語”とも言えるかもしれません。

婚活という“人生のパートナーを選ぶ場”において、
形式だけでなく、内側からにじみ出る「礼」のある人は、やはり最後に選ばれます。




次回予告
「君子は和して同ぜず」──価値観の違いをどう受け止めるか
「違う」ということを恐れず、相手との違いをどう尊重して関係を築くか。そんなテーマを論語とともに考えます。