BLOG ブログ

【論語と婚活 Vol.4】「仁とは何か──“優しさ”を支える力」

【論語と婚活 Vol.4】「仁とは何か──“優しさ”を支える力」

「仁とは何か──“優しさ”を支える力」

■ はじめに

婚活ではよく「優しい人がいい」と言われます。
けれど、“優しさ”って一体なんでしょうか?
単にニコニコしていること?相手の言うことに合わせること?

今回は、論語の中でも最も重要とされるキーワード「仁(じん)」を通して、
婚活における本質的な思いやりの在り方を一緒に考えてみたいと思います。

■ 論語における「仁」とは

論語における「仁」とは、人への思いやり、愛、誠実さ、共感──
人間関係における“徳の中心”とも言える考え方です。

「顔淵、仁を問う。子曰わく、己れをに克(か)ちて礼に復(かえ)るを仁となす。」(顔淵篇)

この言葉は、自分の欲をおさえ、相手への敬意(=礼)を持つことが、仁であるという意味。
つまり「仁」とは、ただ“優しい”のではなく、自分を律し、相手を思いやる姿勢のことなのです。

そうすると、
「一日己に克(か)ちて礼に復(かえ)れば、天下仁に帰す。」と
皆(天下)、人への思いやり、愛、誠実さ、共感するようになると説いています。

■ 婚活における“本当の思いやり”とは

婚活で「優しさ」は大きな魅力のひとつ。
でも、表面的な優しさだけでは、長く続く関係は築けません。

たとえば──

・相手に合わせるだけではなく、「自分の考えも丁寧に伝える」ことも思いやり

・無理に頑張りすぎるのではなく、「心地よい距離を保つ」ことも優しさ

・相手を変えようとするのではなく、「そのままの相手を認める」姿勢

「仁」の心は、相手の立場に立つ想像力と、自分の欲とのバランス感覚に宿るのです。

■ 成婚者に共通する“仁のある姿勢”

これまで多くの成婚を見届けてきましたが、
「仁」を体現していた方々には、こんな共通点がありました。

・断られても、また断るときにも相手を責めない、またそのような表現はしない

・交際中、相手の状況や気持ちを考えて行動していた

・不安や不満があっても、一度自分の感情を整理してから伝えていた

どれも、「自分だけの感情で動かない=己を克つ」という孔子の教えそのもの。

■ まとめ:「優しさ」は“自分の内面”から育つ

“本当の優しさ”は、単に他人にやさしくすることではなく、
自分の感情や欲を見つめながら、相手との関係を丁寧に築こうとする意志です。

「仁」とは、相手を大切にする前に、自分を整える力でもある。
婚活の中で、人間関係に悩んだときこそ、
この「仁」の教えが、きっとあなたを支えてくれるはずです。




次回予告

「信とは何か──“信頼される人”になるために」

良い出会いには「信頼」が不可欠。論語の“信”の教えから、信頼関係の築き方を一緒に考えていきます。