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【論語と婚活 Vol.15】 「共に同じ方向を見る──価値観を共有するご縁のかたち」

【論語と婚活 Vol.15】 「共に同じ方向を見る──価値観を共有するご縁のかたち」

「共に同じ方向を見る──価値観を共有するご縁のかたち」

■ はじめに

「愛するとは、ただ見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」
これは『星の王子さま』の作者サン=テグジュペリの言葉です。

婚活において、「理想の相手」とは何かを考えるとき、
外見や年収、趣味の一致といった条件面に注目しがちですが、
本当に大切なのは、人生の中で“何を大切にするか”という価値観を共有できるかどうかです。

孔子もまた、次のように語っています。

「子曰わく、君子は義に喩り、小人は利に喩る」(里仁第四)
誠実な人は損得ではなく、正しさや道理(義)を基準にして生きる。

人生を共にする相手とは、
「どんな考えで生きていくか」を共有できることが、
ご縁を長く続けるための鍵になります。

今回は、サン=テグジュペリと論語の言葉から、
共に“同じ方向を見つめる”関係の大切さを考えていきます。

■ 「同じ方向」とは、何を意味するか?

“同じ方向を見る”というのは、
いつも同じ趣味を持っているとか、まったく同じ考えであるという意味ではありません。

むしろ、「何を大切にして生きていきたいか」という
価値観の軸や人生観を共有できるかということです。

・家族を大事にしたい

・誠実な人間関係を築きたい

・助け合いながら暮らしたい

こうした「生き方の方向性」が合っている二人は、
どんな困難にも、共に向かい合う力を持つことができます。

■ 「利」ではなく「義」に目を向ける

婚活では、つい“条件”に目がいきがちです。

・年収は?

・学歴は?

・どんな仕事をしている?

もちろん現実的な基準も必要ですが、
そこだけで選ぼうとすると、「利」に偏った判断になりがちです。

論語が教える「君子は義に喩る」というのは、
相手がどれだけ“人として誠実か”“真剣に関係を築こうとしているか”に注目せよということ。

つまり、「条件の良さ」より「信頼の深さ」を大切にする目線です。

■ 価値観を共有できる人との出会いは、人生を変える

価値観が合う相手と出会えたとき、会話は自然と深まり、
信頼関係も育ちやすくなります。

・迷ったときに同じ基準で考えられる

・困ったときに互いを責めず、支え合える

・人生の選択を一緒に考えられる

これは、「見つめ合う」関係ではなく、
「並んで同じ方向を見ている」関係だからこそできることです。

■ まとめ:「見つめ合う」だけではなく、「並んで歩む」ご縁を

恋愛ではドキドキする気持ちや見た目の印象が大きく作用しますが、
結婚やパートナーシップにおいて大切なのは、
価値観を共有し、並んで歩ける関係です。

「愛するとは、ただ見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」
――サン=テグジュペリ

「君子は義に喩り、小人は利に喩る」
――孔子

この二つの言葉が教えてくれるのは、
「何を共に見つめるか」を大切にできる相手と出会うことの尊さです。

条件では測れない、深くてあたたかいご縁を、
一歩ずつ見つけていきましょう。




■ 次回予告

「好きになる力──人を受け入れる“心の柔軟さ”」

「条件が合うか」よりも、「関わる中で好きになれるか」。
次回は、論語の「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」や「仁者、愛人」の教えから、
婚活において“好きになる力”が信頼とご縁を育てる鍵であることを考えていきます。